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知らなかった、歯ぎしりの効能

11月14日放送の「ためしてガッテン」、ご覧になった方も多いと思いますが、歯ぎしりをすると判っている人には、このままでいいのか、対策を講じるべきかの判断基準の指針がわかる内容になっていました。
自分もブラキサー(歯ぎしりする人)である私にも、なるほどと思える内容でした。

番組では歯ぎしりを3タイプに分けていて、『口破壊型』、『全身破壊型』、『良い歯ぎしり』があるとしていました。

歯ぎしりの様態としては、「カエルの鳴き声様・・・ギリギリ」、「拍子木様・・・カチン」、「獅子舞様・・・カチカチカチカチ」と、音の出ない「くいしばり」、があり、どの様態でも問題とすべきは上下の歯にかかる力の大きさだということです。

つまり、覚醒時に思いっきり噛んだ時に出る力の半分くらい力で噛んでいる歯ぎしりは『良い歯ぎしり』で、それより大きな力(数倍)が無意識下で出てしまう歯ぎしりが『口破壊型』だったり『全身破壊型』だったりするということです。

『口破壊型』では、軽い症状としては知覚過敏が起こりやすく、ひどいものでは歯が欠ける、虫歯になる、歯周病が進行する、さらには歯が真っ二つに割れるなどの症状が起こります。
『全身破壊型』になると、肩凝り、腰痛、ひざ痛、疲れがなかなか取れない、朝起きた時に顎が痛いなどの症状が現れます。

口破壊・全身破壊をやっている人の見分け方は、私たち歯科従事者も臨床で観察している、『骨隆起』(下顎の小臼歯部の歯槽骨の内側によくできる骨の出っ張りや、口腔の天井にあたる上顎の真ん中付近にできる硬い盛りあがり)や、『くさび状欠損』という、歯のエナメル質と歯根の境目にできるえぐれがあることで判ります。

口の中にこのような徴候があり、朝起きた時に歯を噛みしめていたような感覚がある人は要注意です。
以前からたびたびお伝えしていた「くいしばり・噛みしめ」の弊害が、寝ている間の歯ぎしりでも現れるのです。

『良い歯ぎしり』では、歯ぎしり後にゴクンと唾を嚥下するため、唾液の中和作用により、逆流性食道炎(胃酸が食道に逆流する)を防ぎ、さらには、歯ぎしりという行為そのものがストレスの解放になることや、その結果なのか、血圧や血糖値を下げるように作用します。

以前聴いた講演で、「歯ぎしりを起こす引き金になっているのは胃酸らしい」と聞いたことがありますが、人間の体にはすばらしい自己防衛・免疫機能があり、歯ぎしりもその一つなんだと納得しました。

番組でも全ての人が歯ぎしりをしていると言っていましたから、歯ぎしりは本来人間に備わった自然な生理現象なのでしょう。
ただ、歯ぎしりの質で、薬にも害にもなるということなのでしょう。

番組では『良い歯ぎしり』に変えていくための方法として、マウスピースや噛みあわせ治療、矯正などを挙げていました。

歯科医の講演会では、まず初めに暗示療法を試みると言われます。これは、「明日は遅刻できないぞ」と思って寝ると、朝目覚ましが鳴る前に起きてしまう、といったような無意識下の意識みたいなことを期待するもので、まどろんでいる時に「噛みしめないぞ」と思うようにして眠りにつくというものですが、ブラキサーである私も試してはみましたが、はっきり言って確実な効果は期待できませんでした。というより、毎晩念じ続けることができませんでした。

 私の場合は通常はギリギリとうるさいタイプの歯ぎしりですが、たまに右側の歯を強く噛んでいたと朝起きた時感じることがあります。これはまさしく噛みしめです。
口を開いても骨隆起らしいものが見当たらないと安心していましたが、番組で審査していた方法を試して、人差し指で右下の小臼歯の内側の下の方を触ってみると、左下にはないかすかな膨らみが触れました。
以前から気付いていましたが、右の上下の小臼歯には他の歯より深いくさび状欠損があります。
もう30年以上も前に右上の小臼歯を病んだことがあり、それ以来何かにつけて違和感を感じる存在の歯なので噛みしめてしまうのでしょうか?噛みあわせの治療は済んでいると思うのですが・・・。

患者さんには時々作ってさしあげるマウスピースですが、自分でははめて寝る気がせず、私の歯ぎしりはストレス発散のために必須なのだ、なんて、開き直っていましたが、今回の発見で、右の肩凝り・首凝りの一因だったかもしれないと分かり、何とか良い歯ぎしりの方向にもっていきたいと思います。
もう一度暗示療法からやってみますか。

それにしても、しなくて済むならしない方がいいだろうくらいにしか考えていなかった歯ぎしりに様々な効能があるなんて、目から鱗のうれしさと、自分の不勉強さを感じた放送でした。ためしてガッテン、恐るべし!

2012年11月21日 00:00

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