静岡市葵区鷹匠の静岡駅近くにある歯医者 清水歯科医院

治療に関するご説明をして患者様の疑問を払拭し不安を軽減したうえで治療を開始いたします。

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噛み合わせの重要性と歯の接触癖

 今年も日本顎咬合学会の学術大会が6月(今年は14・15の土日)に開催され、私も14日の土曜日を休診にさせていただいて参加してきました。
 毎年プログラムを見ては、どの講演を聴こうか検討し、当日は会場である東京国際フォーラムの広い棟内をあっちからこっちへと足早に移動して興味ある講演を聴きまくります。
 今年も拝聴したい講演がたくさんありましたが、「オールセラミックス修復について」と「インプラント関連」、そして「下顎位(噛み合わせの状態のこと)」に絞って聴いてきました。

 その中で、下顎位のズレによって生じる全身の不定愁訴や顎関節の関節頭の変形など、演者の症例をスライドを観ながら聴くにつけ、いかに噛み合わせが重要かをあらためて感じました。

 数年前にも、噛み合わせ治療に力を入れて全国の患者さんを診ている高崎市の丸橋歯科クリニックに見学に行って噛み合わせ治療を拝見しましたが、それを臨床で実際に治療に取り入れるのは容易ではないと感じました。

 今回の講演ではズレの診断方法が具体的で、噛み合わせがずれているかどうかは見つけやすいものの、治療法は丸橋歯科の場合と同じで、大きなズレとなると矯正や被せ物の大規模な改造、インプラント、義歯の装着などが必要になり、簡単ではありません。
 ただ、一番最初の治療は共通していて、スプリントというマウスピースのようなものを装着して噛み合わせを変えていきます。それで症状がとれたら、そのような噛み合わせに持っていくのです。

 大きく噛み合わせがずれてしまう原因は奥歯を失うことや悪い姿勢(頬杖やうつ伏せ寝なども含めて)にあるようです。
 良い姿勢を心掛け、悪い態癖を直し、左右の奥歯でしっかり噛めるようにする、噛み応えのあるものをよく噛んで食べる、こういうことが噛み合わせを正しく保つために重要です。

 もうひとつ、肩こりや首こりなどの比較的軽い不定愁訴や顎関節の痛みなどは、ただ単に噛みしめや食いしばりを止めれば治ると言われます。

 たまたま6月18日に保険医協会の顎関節症の講習もあり、そこでも顎関節症の治療法についての説明がありましたが、日中に上下の歯の接触(噛みしめなんていう力の入ったものではなく、単に触れていること)をしないように心掛け、就寝時はスプリントを装着するだけで、ほとんど患者が顎関節の痛みや開口障害から解放されるということでした。(ただしスプリントは長期に渡って使用してはいけないとのことでした。)

 今朝のTV番組「ゲンキの時間」も噛み合わせについての内容で、噛み合わせが良くなるとスポーツで良い成績が出ることも実証していました。そして、顔を少し上向きにして(口が少し開いた状態になります)立った姿勢で、ゆっくり顎を閉じていき、1本でも上下の歯が接したところで、それ以上噛み込まないようにしたところが本来の正しい噛み合わせの位置だと言っていました。

噛み合わせは変化していくものです。少しの噛み合わせのズレなら、正しい姿勢で歯を噛み込まないようにしていれば正しい噛み合わせに近づいていくかもしれませんね。少なくとも歯の接触によって引き起こされている、顎や首、肩、頭の筋肉の凝りは軽減することが期待できます。ただしスポーツ時には安定した噛み合わせができないと力は発揮できませんが・・・。

日本額咬合学会学術大会で演者の先生が、「噛み合わせを治せば医科にかかる必要がなくなる」とまで言っておられましたが、歯科医師として、この言葉は重く受け止めなければいけないと感じます。

2014年06月29日 00:00

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